スギ花粉・舌下免疫療法

舌下免疫療法とは

舌下免疫療法とは

免疫療法とは、病気の原因となる物質を少ない量から徐々に増やして体内にいれて症状を治そうとする治療方法です。減感作療法とも言われています。

投与方法

スギ花粉症の場合には、低濃度のスギ花粉を含んだエキス(シダトレイン 鳥居薬品)を舌の下に滴下します。舌の下に保持したまま2分間そっとしておき、その後に飲み込みます。これを最初の2週間で量を増やしていき、3週目からは同じ量の薬を毎日舌下投与します。最初の舌下投与は医療機関で行ない副反応がないかを確認します。それ以降は自宅で行います。

開始時期

治療は11月頃までに開始することが望ましいです。遅くとも1月初めには開始する必要があります。花粉飛散期には初回投与できませんので、スギとヒノキの花粉がおわってからの治療開始がよく、6月から11月に治療を開始する事を勧めています。

適応

12歳以上のスギ花粉で根治を期待する場合、重篤で内服が効きにくい方

禁忌

  • 心臓の薬であるβ阻害剤使用中の人
  • 不安定な気管支ぜんそく
  • 抗がん剤を使用中、ステロイド剤を使用中
  • 妊娠中や妊娠予定の人
  • 自己免疫疾患、膠原病の人

効果

有効率は約7~8割とされています。

当院受診時の流れ

スギ花粉症であること、免疫療法の適応であることなどの診断が必要です。
すべての患者様が舌下免疫療法が第一選択ではないので、お薬の治療など、患者様の病状にあった治療法を提示しています。
初診して頂き、説明・検査の結果を聞いてから舌下免疫療法を検討して頂くようにお願いしています。

受診前に再度確認下さい

  • 最低2年間治療を続ける必要があります
  • 最初の1年間は2週毎に通院、2年目からは1か月毎に通院する必要があります
  • 効果の無い場合もあることをご理解下さい
  • 舌、口腔内のしびれや、むくみのでる副作用がでる場合があります
  • まれにアナフィラキシー(重篤なアレルギー反応)がでる事も報告されています

詳しくは外来初診時にご説明させて頂きます。

治療費用は

他の治療や薬の処方がない場合には、クリニックでの治療費と薬局での薬代と合わせて1ヵ月あたり3,000~4,000円の負担(保険適応3割負担の場合)になります。
スギ花粉の飛散時期だけでなく1年を通じて治療をしますので毎月ほぼ同額の治療費となります。
舌下免疫療法を行っていてもスギ花粉が飛散する時期に症状が出る可能性があります。その場合にも症状を抑える薬代などが必要になります。しかし、舌下免疫療法を行うことにより、スギ花粉飛散期の症状が軽くなれば、これまでよりも症状を抑える薬の量が減る可能性が期待できます。