予防接種外来
お子さまの予防接種の重要性について
VPDは、”Vaccine Preventable Disease"の略で、ワクチンで防げる病気の意味です。
ワクチンを接種すれば予防できるはずのVPDに感染すると、重い後遺症に苦しんだり、場合によっては命にかかわる危険もあります。大切なお子さまを守るためにも、正しい知識を持ち適切にワクチンを接種するようにしましょう。 各種ワクチンや、予防接種スケジュールについて詳しくは以下のページをご参考ください。
当院の予防接種について
予防接種について
今シーズンのインフルエンザワクチン予約を、開始致します
今年より小児への接種量が改訂となりました。
3歳未満 | 0.25mlを2-4週間隔で2回 |
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3歳以上13歳未満 | 0.5mlを2-4週間隔で2回 |
13歳以上 | 0.5mlを1回または1-4週間隔で2回 |
インフルエンザQ&A
- Q1. インフルエンザワクチンとはなんで毎年打たないといけないの?
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インフルエンザウイルスの遺伝子が変化しやすく、92%くらい遺伝子が変化してしまうと、以前にかかったときの免疫が効かなくなってしまうからです。予防接種を受ける事によってインフルエンザにかからなくするか、症状を軽減することができます。
- Q2. インフルエンザワクチンは2回打たないといけないの?
成人の場合、1回接種だと予防効果が64%、2回接種だと94%とされています。2回接種した方が予防効果は高まります。
成人の湯合、今までに何度かインフルエンザにかかっているので、多少の免疫力を持っています。
そのため、今年の流行株の予防接種を1回やって免疫力を補強すれば、64%は予防できるということです。
しかし、流行するインフルエンザウイルスは、年ごとに変化するので、2回接種の方が確実と言えます。 12歳以下の子供は、インフルエンザに対する免疫力が少ないので、2回受けることが必要です。
また、受験生や、どうしても仕事を休めない職業の人は、やはり2回接種の方が間違いがありません。- Q3. いつ接種すればいいですか?
インフルエンザの予防接種は毎年10月から開始します。抗体ができるまでに3~4週間かかります。
インフルエンザが流行しはじめる12月下旬までに抗体をつけておくとすれば、11月下旬から 12月上旬頃までに予防接種を受けることをお勧めいたします。
ワクチンの接種は、遇常2回で1~4週の間隔で行うことになっています。
なるべく4週に近い方が効果は良いです。- Q4-1. 卵アレルギーの人は予防接種できるの?
日本で作られているインフルエンザワクチンは、鶏の受精卵でウイルスを増殖させて作ります。
卵の成分が混入する可能性は完全には否定できません。
しかし昔は、精製技術が進歩していなかったために卵由来の成分が残存し、これによる卵アレルギーの副作用がごくまれに起こりました。近年は高純度に精製されているのでほとんど問題となりません。
重篤な卵アレルギーがある場合、例えぱ鶏卵を食べてショックを起こした人などは、接種を避けるか、注意して接種する必要があります。
ワクチンに安定剤として含まれていたゼラチンに対するアレルギ一反応(アナフィラキシーショック)が 報告されていましたが、現在、インフルエンザワクチンを生産している4社からの製品にはいすれも、ゼラチンは含まれていません。- Q4-2. 具体的にはどうするか?
卵をつなぎ、加工品で食べられる人
通常と同じく接種可 皮膚テストは不要卵でアナフィラキシーを起こしたことがあり、現在も卵の特異的lgEスコアが5~6と高値の人
インフルエンザワクチンの皮膚テストを行います。
陰性の湯合は、通常量で接種します。
陽性(腫れた郡分が9-14mm、赤い部分が20-39mm以上)の場合は、少しずつ分割して接種します。
強く陽性(腫れた部分が15mm以上、赤い部分が40mm以上)を示した場合は、接種を中止したほうがいいでしょう。- Q5. 鼻噴霧式インフルエンザワクチン(フルミスト) とは
フルミストは鼻の中へ吹きつける、噴霧型のインフルエンザワクチンです。
日本での認可はありません。2003年に米国で認可され、10年以上の安全な使用実績があり、2011年からは欧州でも認可されています。
特に小児において日本の不活化ワクチンより予防効果が高いことから、当院では希望者に対し輸入ワクチンの接種を始めました。昨年の当院での実績は90%近い高い予防効果を認めました。日本で認可されている注射インフルエンザワクチンは3価の不活化ワクチンですが、フルミストは4価の生ワクチンです。有効期限はほぼワンシーズン持続し、注射ワクチンの4-5か月にと比べ長く効果があります。
【対象年齢】2歳~50歳未満
【禁忌】
重度のアレルギー(卵・ゲンタマイシン・ゼラチン・アルギニン、その他当ワクチンの含有物質)小児期や思春期で長期アスピリン内服中の方5歳未満で喘息のある方。1年以内に喘鳴を認めた方妊娠中・授乳中の方心疾患、肺疾患・喘息、肝疾患、糖尿病、貧血、神経系疾患、免疫不全などの慢性疾患をお持ちの方造血幹細胞移植など、重度の免疫不全の方と接触する方インフルエンザ接種後にギランバレー症候群になった方生ワクチン接種後4週間未満の方その他、鼻炎・鼻閉のひどい方は接種できません。
ワクチン同時接種について
日本小児科学会の予防接種の同時接種に対する考え方
日本小児科学会
日本国内においては、2 種類以上の予防接種を同時に同一の接種対象者に対して行う同時接種は、医師が特に必要と認めた場合に行うことができるとされている。
一方で、諸外国においては、同時接種は一般的に行われている医療行為である。
特に乳児期においては、三種混合ワクチン、インフルエンザ菌 b 型(ヒブ)ワクチン、結合型肺炎球菌ワクチンなどの重要なワクチン接種が複数回必要である。
これらのワクチン接種がようやく可能となった現在、日本の子どもたちをこれらのワクチンで予防できる病気(VPD: Vaccine Preventable Diseases)から確実に守るためには、必要なワクチンを適切な時期に適切な回数接種することが重要である。
そのためには、日本国内において、同時接種をより一般的な医療行為として行っていく必要がある。
同時接種について現在分かっていることとして以下のことがあげられる。
- 複数のワクチン(生ワクチンを含む)を同時に接種して、それぞれのワクチンに対する有効性について、お互いのワクチンによる干渉はない。(注 1)
- 複数のワクチン(生ワクチンを含む)を同時に接種して、それぞれのワクチンの有害事象、副反応の頻度が上がることはない。
- 同時接種において、接種できるワクチン(生ワクチンを含む)の本数に原則制限はない。また、その利点として、以下の事項があげられる。
- 各ワクチンの接種率が向上する。
- 子どもたちがワクチンで予防される疾患から早期に守られる。
- 保護者の経済的、時間的負担が軽減する。
- 医療者の時間的負担が軽減する。
以上より、日本小児科学会は、ワクチンの同時接種は、日本の子どもたちをワクチンで予防できる病気から守るために必要な医療行為であると考える。
尚、同時接種を行う際、以下の点について留意する必要がある。
- 1)複数のワクチンを1つのシリンジに混ぜて接種しない。
- 2)皮下接種部位の候補場所として、上腕外側ならびに大腿前外側があげられる。
- 3)上腕ならびに大腿の同側の近い部位に接種する際、接種部位の局所反応が出た場合に重ならないように、少なくとも 2.5cm以上あける。
注1: 例外として、コレラ+黄熱ワクチンでは効果が減弱することが知られている。
ポリオ不活化ワクチンについて
ポリオ(小児まひ、急性灰白髄炎)を予防するワクチンには、口から飲む(経口)生ワクチンと注射の不活化ワクチンの2種類があります。
日本の定期接種に指定されているのは、生ワクチン(経口)のポリオワクチンです。注射の不活化ポリオワクチンは、日本では承認されていません。
しかし、生ワクチンを飲んだ人や保護者など周りの人に、ワクチンの副作用として小児まひが起こっています。
日本と同じように野生のポリオウイルスの流行していない国々では、ワクチンによる小児まひを防ぐために、1990年代後半から経口生ワクチンを不活化ワクチンに切り替えてきました。 日本でも不活化ワクチンに切り替わっていてもよさそうなものですが、国内で承認されているワクチンは、今のところ経口生ワクチンしかありません。先進国でいまだに経口生ワクチンを使用しているのは日本だけです。
国内未承認であり、健康被害に対する公的な救済制度はないのですが、海外で広く安全に使用されている不活化ワクチンを個人輸入して当クリニックでは接種致します。
生ワクチンと不活化ワクチンの特色
種類 | 製造方法 | メリット | デメリット |
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生ワクチン | 病原体を継代等の方法で弱毒化して製造 | 1回の接種による効果が高いため、接種回数が2回で済む |
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不活性ワクチン | 強毒病原体をフォルマリン等で不活性化して製造 |
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1回の接種による効果が低いため、接種回数が多い(4回) |
よく理解納得して頂いたうえで接種をおこなっております。
希望者は電話にて相談予約ください。接種前に再度、詳細な説明を行います。
子宮頸がん予防ワクチン
サーバリックス・ガーダシルについて
子宮頸がんの予防ワクチンについて
平成23年9月15日から、新ワクチン「ガーダシル」も公費助成の対象となります。
接種回数:3回(初回/初回から2ヵ月後/初回から6ヵ月後)
新ワクチン「ガーダシル」について
新たに承認されたワクチン「ガーダシル」(製造販売元:MSD株式会社)が、平成23年8月26日に発売が開始されました。9月15日から「ガーダシル」も「サーバリックス」
(製造販売元:グラクソスミスクライン株式会社)とともに子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業の対象になります。
ワクチンの種類 | ガーダシル (4価HPVワクチン) |
サーバリックス (2価HPVワクチン) |
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ワクチンの効能 | HPV6・11・16・18型感染による子宮頸がん及び、コンジローマの予防 | HPV16・18型感染による子宮頸がん及び、その前がん病変の予防 |
接種間隔 | 0、2、6カ月後 | 0、1、6カ月後 |
- Q1.「ガーダシル」と「サーバリックス」のどちらを選べばいいのでしょうか?
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「ガーダシル」と「サーバリックス」は、いずれも子宮頸がんの予防効果があります。
予防効果については、「ガーダシル」も「サーバリックス」も同等と言われています。
どちらのワクチンも、公費助成の対象となっています。
※現在、「ガーダシル」の潤沢な供給は難しい状況のため、ご希望に添えない場合がありますが、ご理解をお願いします。 - Q2.「サーバリックス」を1回接種しましたが、2回目以降「ガーダシル」を接種することができますか?
「ガーダシル」と「サーバリックス」は、いずれも同じワクチンを3回続けて接種することになっています。
片方を接種後にもう片方を接種する場合の効果などは分かっていません。
1回目に「サーバリックス」を接種した方は、2回目以降も引き続き「サーバリックス」を接種してください。- Q3.「ガーダシル」と「サーバリックス」の接種方法は同じですか?
いずれも3回の接種が必要ですが、接種の間隔が異なっています。「ガーダシル」は初回接種から2ヶ月後、6ヶ月後に接種します。「サーバリックス」は初回接種から1ヵ月後、6ヶ月後に接種します。